東京京橋のギャルリ東京ユマニテbisで飯島祐奈展「石でキリトル」が開かれている(9月25日まで)。飯島は1995年東京都生まれ、2018年女子美術大学芸術学部美術学科立体アート専攻卒業、2021年同大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻立体芸術研究領域を修了している。
2020年、「第3回いりやKOUBO」大賞を受賞し、今年いりや画廊で初個展の「第3回いりやKOUBO大賞受賞者作品展」を開いている。
飯島はDM葉書の作品を御影石で作り、ギャラリーには大理石や石灰石、砂岩などの作品が並んでいる。いずれも幾何形体的なものだ。
飯島の言葉がギャラリーのホームページに掲載されている。
明日になったら忘れるような、どうでもいい一瞬の出来事。そこで誰かと交わす言葉や自分の中から起こる感情こそ忘れたくないと思う。しかし、私たちの記憶は都合良く小さく細くなっていったり、突然大きく変形したり粘土の怪獣のようにカタチが定まらない。だから、私は石でキリトルことで、かけがえが無くなる日常を記録し記憶する。そして、この切り取られた石の集合体が今日の私を形成している思い出の一部なのである。
DM葉書に使われていた御影石の作品が面白かった。他の作品と造形的には変わることがないのだが、大理石や石灰岩は御影石のように石の表面に模様がない。白くフラットで、どこか概念的な立体図のような印象で、物質感がその分希薄に感じられた。御影石の作品は、その点物質感が強く、作品として興味深いものに仕上がっているのではないか。
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飯島祐奈展「石でキリトル」
2021年9月13日(月)―9月25日(土)
10:30-18:30(最終日17:00まで)日曜・祝日休廊
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ギャルリ東京ユマニテbis
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビルB1F
電話03-3562-1305