ギャルリー東京ユマニテの飯嶋桃代展を見る

 東京京橋のギャルリー東京ユマニテで飯嶋桃代展「Sphinx―人間の台座」が開かれている(2月24日まで)。飯嶋は1982年、神奈川県生まれ。2006年に女子美術大学美術学科立体アート専攻を卒業。2008年に同大学大学院修士課程美術専攻立体芸術研究領域を修了し、2011年に同大学大学院博士後期課程美術専攻立体芸術研究分野を修了している。

 2006年に銀座のpepper's galleryで初個展、以後ギャルリー東京ユマニテ、銀座gallery女子美、マキイマサルファインアーツ、ギャラリーαM、資生堂ギャラリーなどで個展を開いている。

 ギャラリーによる紹介を引く。

民俗学や神話に興味を持つ飯嶋が今回のテーマに選んだスフィンクスは、ギリシャ神話では女性の頭にライオンの身体と鷲の翼を持つ怪物とされています。このスフィンクスは通行人に謎をかけ、解けないものを食い殺していましたが、オイディプスが謎を解くと岩の台座から飛び降り谷底へ身を投げて死んだといいます。飯嶋はスフィンクスの台座という視点からこの謎かけを掘り下げ、陶製の頭蓋骨を蝋で鋳込み台座の形に切り出した立体作品を中心としたインスタレーションを発表いたします。

 

 作家のコメント

スフィンクスの謎かけ”をテーマに立体作品を中心としたインスタレーション

朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足になるものなんだ? この有名な謎かけの答えは確かに「人間」である。わたしはすでに知っている答えをもう一度問い直すように制作を行った。

スフィンクスは絵画はもとより彫刻作品も多くの作家によって創作されてきたが、わたしはスフィンクス像のための台座を作ることにした。

それは「人間」という答えを据える台座となるだろうか。

 

地下のスペースの展示

スフィンクスの頭蓋骨


 画廊にはスフィンクスの台座が置かれ、地下のスペースには死んだスフィンクスの頭蓋骨とおぼしい立体がぽつんと置かれている。そのほか、出来つつある小さな台座、壊れた壺、細長い壺のようなオブジェ、また画廊の壁面に設置された金属の手すり、その手すりの一部は手で握った形に彫刻されている。地下のスペースでは、スフィンクスの頭蓋骨を囲んで抽象的なドローイングが展示されている。

 スフィンクスが飛び降りて空席になった台座。個展のタイトルは「Sphinx―人間の台座」となっている。そこに据えられるのは人間だということだろうか? 

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飯嶋桃代展「Sphinx―人間の台座」

2024年2月5日(月)―2月24日(土)

10:30-18:30(日曜祝日休廊)

※1F、B1F同時開催(B1Fのみ2月17日17:00まで)

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ギャルリー東京ユマニテ

東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F・B1F

電話03-3562-1305

https://g-tokyohumanite.com