東京京橋のギャルリー東京ユマニテで木村太陽展「cloud seeding」が開かれている(12月25日まで)。ギャラリーのホームページから、
木村は1995年創形美術学校研究科卒業後から作品を発表し、2000年以降はドイツ、ニューヨークを拠点にヨーロッパ、アメリカなど国内外で活躍。現在は神奈川を拠点に活動をしています。何気ない日常の中で出会う些細な違和感や、存在意識の中に隠れる感覚を独自のユニークな視点で立体、インスタレーション、映像など多様なメディアを駆使して発表してきました。
昨年5年ぶりとなった個展では、殆ど触れ合うほどの距離で耳元にささやく生々しい口元、ガスマスクから吐き出された夥しい棺、淡々と仕事を全うする無数の警官など、木村が当初から興味をもっていた人間の想像力、群集心理、頭の中で勝手に作り上げた「常識」がきっかけとなり、見るものの知らず知らずのうちに身体の隅々にこびり付いた習慣や感覚、深層心理をあぶり出しました。
今回の展覧会タイトルは「cloud seeding」。今まさにコロナウイルスとの共存で暗雲とした集団の中にいる私たち。安易に答えが出ないかもしれない木村の作品と対峙することで、昔の記憶をたどり、考え続ける、その種まきができるのではないかと思います。
以前の展示でも、カレーで顔を洗う映像作品や、MOTアニュアルでの壁を向いてチビっているサラリーマン、引出を開け閉めするたびにパチンコ玉でできた猫が現れたり消えたりするシュレジンガーの猫など、面白い作品を量産していた。
今回は平面作品が充実している。どこか毒を秘めた木村太陽の個展は見逃せない。
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木村太陽展「cloud seeding」
2021年12月6日(月)―12月25日(土)
10:30-18:30
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ギャルリー東京ユマニテ
東京都中央区銀座3-5-3京栄ビル1F
電話03-3562-1306