ギャルリー東京ユマニテの村井進吾展「ハスバタケ」を見る

 東京京橋のギャルリー東京ユマニテで村井進吾展「ハスバタケ」が開かれている(1月29日まで)。村井は1952年大分県生まれ、1978年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了している。主な個展として、ギャラリー山口、愛宕山画廊、そして東京ユマニテでは2002年から今回で10回目となる。

 画廊のホームページから、

 

村井の作品はそのストイックな印象のせいか、まず石の美しさに心を奪われます。作品は黒御影石や大理石を掘削しただけの簡潔極まりない形状のようですが、それらの表情を丁寧に見つめると所々に内部に思いを馳せる痕跡がいくつも見られます。闇の固体である石とはどのようなものなのか? その闇の内部を見てみたい、と村井は言います。 村井の作品は常に「石」本来が持つ重量感や緊張感を湛えながらも、沸々と湧き上がる不可思議で愛おしいその素材への探究心が十分に発露されたものと言えます。

今回の新作展は「ハスバタケ」。「黒体」「再封」と続く、表面を基盤の目のように細かく削る仕事から、さらにその凹凸をなくした様相は、枯れたハスと石の内外への関心がイメージとともに繋がっていくようです。

 

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上の作品の一部

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 黒御影石の大きな直方体が画廊の中央に鎮座している。いったいどれくらいの重量があるのだろう。その石の表面に規則的であり、同時に不規則な表情が彫られていて、どこか惹かれるものがある。大きな石の塊なのに無機質さを感じない。

 ほかに太い柱状の作品や小品が展示されている。タイトルの「ハスバタケ」は蓮畑だろうか。「枯れたハス」とあり、枯れた蓮の実が蓮畑の水面に拡がっている情景を想像した。

 

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村井進吾展「ハスバタケ」

2022年1月11日(火)―1月29日(土)

10:30-18:30、日曜日休廊

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ギャルリー東京ユマニテ

東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F

電話03-3562-1305

https://g-tokyohumanite.com

東京メトロ銀座線京橋駅2番出口より徒歩2分

警察博物館の数軒奥