東京入谷のいりや画廊で開廊10周年特別展 岡本敦生展「穴を掘る-2022」が開かれている(10月6日まで)。岡本は1951年広島市生まれ、1977年に多摩美術大学大学院彫刻科を修了している。1983年以来ギャラリー山口で11回個展、そのほか様々なギャラリーで個展を開いている。朝倉文夫賞、中原悌二郎優秀賞などを受賞。
今回大きな石彫が2点展示されている。どちらも玄武岩の玉石で、大きな方は2トンもあるという。床に置かれたもう1点は黒御影石。ほかに小品数点が台の上に並んでいる。
大きな石に何本もパイプが生えているような造形。何とこれが1個の大きな石から掘り出されている。その造形感覚にも、彫刻技術にもただ驚かされる。岡本は大きな玉石の原石に穴を穿つ。ついでその穴の周りを掘り進んで筒状の形態を掘り出す。その結果作られた不思議な造形。
こんな見たことも聞いたこともない造形が現実に存在するという驚き。何度も作品の周囲を回って見てしまう。これを石から切り出しているという不思議。開廊10周年特別展に相応しい個展だ。
・
いりや画廊 開廊10周年特別展 岡本敦生展「穴を掘る-2022」
2022年9月13日(火)-10月6日(火)
11:30-19:30(日曜休廊)
・
いりや画廊
東京都台東区北上野2-30-2
電話03-6802-8122