東京銀座のギャラリーQで李晶玉展「BLUEPRINT」が開かれている(7月1日まで)。李は1991年東京都生まれ、2018年に朝鮮大学校研究院総合研究科美術専攻課程を修了している。2018年にeitoeikoで初個展、ギャラリーQでは3回目、ほかに原爆の図丸木美術館でも個展を行っている。
DM葉書の作家のコメントから、
今、私たちの頭上を覆っている空はどんな形をしているのか。
米韓軍事演習に端を発した、北朝鮮の飛翔体発射、Jアラートの発令、弱者へ
のヘイト、軍事大国化への選択。飛翔体か電波かサイレンか、レーダーかドロ
ーンか、衛星か核弾頭か、そう称される何かが、軌道を描きながら私たちの頭
上を行き交っていて、そこに描かれた構造から、私たちは抜け出すことはでき
ないのだろうか。
本展に出品する作品たちは、上記のような漠然とした不安を解剖するような
手つきと、自身の軍事に関わる物事への興味によって制作した新作たちである。
ギャラリー正面の壁に大作「東京曼陀羅」が展示されている。座って印を結んでいるのは観世音菩薩だろうか。背景は皇居だが、それはロラン・バルトが言った東京の空虚な中心としての皇居だ。
李は作品に社会性を持ち込んでいる。最近の作家たちに欠けているものがこの社会性ではないか。もっと多くの作家たちが社会的なテーマに取り組むべきだと思う。
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李晶玉展「BLUEPRINT」
2023年6月19日(月)-7月1日(土)
11:00-19:00(土曜日17:00まで)日曜休廊
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ギャラリーQ
東京都中央区銀座1-14-12 楠本第17ビル3F
電話03-3535-2524