ギャラリーテムズの北崎洋子展がすばらしい


 東京小金井市のギャラリーテムズで北崎洋子展が開かれている(11月3日まで)。北崎は1960年女子美術短期大学美術科卒業、個展は、ぎゃるり しらの、ギャラリー汲美、ギャラリー砂翁、中和ギャラリー、K'sギャラリーなどで行ってきた。ここギャラリーテムズでは2009年に続いて2回目となる。
 北崎の個展は、ギャラリー汲美以来何度も見てきたつもりだった。ところが今回会場に足を踏み入れて、北崎ってこんなに良かったっけと驚いた。一見地味な抽象画がとても良いのだ。ときどき器だとか植物の実のような具体的な形態が表れるが、ほとんどは線を重ねたような抽象的な図が描かれている。ギャラリーからもらったテキストを引用する。

作家の中にある想いは、線となり、形となって画面に現れ、動き出し、そして見る人と対話を始めます。今回はアクリルに蜜蝋など、ミクストメディアの作品を20数点展示予定。






 どうして今まで北崎の良さに気づかなかったんだろう。それとも今回から北崎が変わったのだろうか。ある時から作家が突然変貌する現場には何回か立ち会ってきた。今回もそれなんだろうか。
 銀座、京橋、日本橋と移転したギャラリー汲美は、数年前ギャラリーオーナー磯良さんの突然の死によって閉廊してしまった。だが、汲美の印象は強烈で、北崎を始め、当時汲美で発表していた画家たちを今でも汲美の画家と見てしまう。汲美には抽象系を主体とした優れた画家たちが参集していた。亡くなった磯良さんが今回の北崎の個展を見れば、こんなに優れた作品を発表したと喜び、自分の眼に狂いはなかったと自賛したに違いない。
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北崎洋子展
2013年10月24日(木)〜11月3日(日)
11:00〜17:00(10/29、10/30休廊)
※毎日17:00までの営業なので注意
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ギャラリーテムズ
東京都小金井市前原町3-20-2
電話042-384-3564
http://www.gallery-tems.com
JR中央線武蔵小金井駅より南へ徒歩8分