山本弘の素描「風越山」


 山本弘の素描「風越山」。230mm×320mm、紙に鉛筆で描いている。右下に「66. 4」とあるから、1966年4月に描かれたのだろう。山本弘35歳、すでに脳血栓の後遺症で手足が不自由になっている。しかし、量塊の把握はみごとなもので、線が生きている。
 風越山は長野県飯田市の北西の後背地にそびえる山で、標高1,535m、現地では権現山の方が通りが良いかもしれない。山頂に白山神社が祭られている。素描で見ると山が二重に描かれているように見えるが、手前は虚空蔵山で、風越山に登るためにはいったん虚空蔵山まで登り、少し下ってまた山頂を目指すことになる。たとえて言えば、瓢箪や前方後円墳の前後を圧縮したような形になっている。この素描は現地の人が見ればすぐその構造が分かるだろう。
 右下には屋根が描かれており、周囲を屋敷林というには疎らな樹木が囲んでいる。典型的な飯田市郊外の風景だ。
 この作品も、まもなく7月15日から7月21日まで銀座のギャラリー403で開催する「ドローイングと油彩小品による−山本弘展」に出品する予定。

飯田市の北西にそびえる風越山
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ドローイングと油彩小品による−山本弘
2014年7月15日(火)〜7月21日(月・祝日)
12:00〜19:00(最終日17:00まで)日曜日休み
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ギャラリー403
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル4F
電話03-3535-5733