盆栽の作り方

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 ベランダにスミレの繁茂したプランターがある。その向こうにローズマリーを植えた鉢が並んでいる。スミレのプランターの一角に小さな植物が生えている。よく見ればこれはローズマリーの幼植物だ。種がこぼれて実生で育ったのだろう。小さく見えるが発芽後3年ほど経っているのではないか。なぜこのように小さく弱々しいのか。それはスミレの群落に囲まれて生長が阻害されているからだ。

 最近友人に譲ったツタの盆栽は実生から育てて40年近く経ったのに、樹高は10センチに満たなかった。それは小さい時から小さな鉢に植えて土を少なくして十分に根を張らせなかったためだ。こうするとツタは摂取できる栄養が少なく緩慢な生長しかできない。小さな鉢に植え根張りを制限して大きく育つのを阻害する。それを40年続けると立派な盆栽ができあがる。

 以前市ヶ谷駅近くの盆栽博物館で立派な松の盆栽を見たことがある。樹齢何百年かの老松は樹高が数十センチしかなかったが、幹は太く堂々たる貫録を示していた。説明書きによれば、高山の岩場という過酷な環境に自生していた松で、それを山採りしてきたものだという。

 そのような自然の過酷な環境を庭やベランダで再現して盆栽を作っている。以前職場の女性に盆栽はどのように作るのかと聞かれて、根を徹底的にいじめるんです、枯れる寸前の環境にして生長を抑えて作りますと答えたら、なんだか嫌われてしまったようだった。いじめるという言葉が禁句だったのだろうか。