東京新宿南町の√kコンテンポラリーで浜田浄展が開かれている(3月25日まで)。浜田は1937年高知県出身、1961年に多摩美術大学美術学部油画専攻を卒業している。2015年には練馬区立美術館で個展が開かれている。
√kコンテンポラリーは地上3階、地下1階の現代美術専門のギャラリーで、小さな美術館に引けを取らないくらい広い。その地下1階から2階まで3フロアーを使って1976年の作品から最新作まで浜田のいわば回顧展が開かれている。
浜田はひたすら紙に鉛筆で黒く塗り重ねたり、板を無数に彫刻刀で彫り続けたり、短い筆触の線を画面一杯に描いたりと、ミニマル・アートに近い仕事を続けてきた。だが浜田の仕事の大きな特徴は手の痕跡にあるだろう。極めて長時間を費やして個々の作品を作っている。その膨大な手仕事に費やした時間の痕跡が浜田の作品を成立させている。
一見ミニマル・アートに近い造形ながら、浜田の費やした時間が作品に堆積している。浜田の作品の独自性がそこにあるのだろう。
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浜田浄展「続くあしおと」
2023年2月25日(土)-3月25日(土)
11:00-19:00(日曜・月曜休廊、祝日開廊)
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√k(ルートk)コンテンポラリー
東京都新宿区南町6
電話03-6280-8808