√kコンテンポラリーの原口典之展を見る

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 東京神楽坂に新しくオープンした√kコンテンポラリーで原口典之展が開かれている(5月6日まで)。√kコンテンポラリーは京橋の加島美術が新しく神楽坂に開いた現代美術を扱う画廊だ。1、2階の300平米の展示スペースに地下にも180平米のスペースを持つかなり広いギャラリーだ。原口についてはギャラリーのHPに次のように紹介されている。

1946年神奈川県生まれ。1970年日本大学芸術学部美術学科卒業。60年代後半から美術家としての活動をはじめ、1977年、国際展「ドクメンタ6」(ドイツ、カッセル)で日本人作家として初めて選出される。鉄やポリウレタンといった工業製品に使われる素材を用いた作品や、軍用機の形を原寸大で再現させた立体、金属のプールに廃油を満たす作品など、意味や機能をはぎ取りながら、物体あるいは物質そのものの在り様を提示する作品を制作。

 私も2013年、東京藝大大学美術館陳列館で5m×3.8mの鉄の箱にオイルを満たした作品を見た。今回は1、2階の吹抜けに円筒形の立体を展示しているが、直径280cm、高さ361cmもある。

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 地下にはオイルプールが設置されており、5m×3.8m、高さ70cmの鉄製の箱に廃油が満たされている。東京藝大で見た作品のようだ。

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 その他、無機質な鉄板や四角い箱、壁を壊して設置した帆布、屋上にも木の柱が設置されている。

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 画廊空間としては今まで見られなかった広いスペースだ。根付のような日本の価値観に囚われている私には、日本の作家たちがここを十全に使いこなせるだろうかと老婆心を抱いてしまう。いや、このような新しい空間でどんな展示を見せてくれるのか楽しみだ。
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原口典之展「wall to wall」
2020年3月7日(土)―5月6日(水)
11:00-19:00(日・月・祝日休廊)
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√kコンテンポラリー
東京都新宿区南町6
電話03-6280-8808
https://root-k.jp/#exhibition
都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅」」A2出口から徒歩5分
東京メトロ東西線神楽坂駅」神楽坂口から徒歩12分
東京メトロ飯田橋駅」B3出口から徒歩10分