重層する空間を一つの画面に定着させようという試み

 知人の作家の個展に行った。大きなタブローのほかにスケッチブックから破り取ったようなドローイングが展示してあった。それが不思議な絵だった。これは何を描いたのですか? 道を歩きながら前方の景色を描いたのです。遠い家並みが近づいてくる。遠くのものが近くになる。それを1枚の紙に描き止めている。そう思ってみると家々やビルが重なり合っているようにも見える。重層する空間を一つの画面に重ね合わし定着させようとしている。とても面白い試みだ。先日紹介した笹井祐子の作品(id:mmpolo:20081016)は時間の重ね合わせだが、これは空間を重ねている。
 これで作品を作ったらいいじゃないですか。いや、僕にはそれだけの力がないんです。
 誰かやってみてくれないだろうか。