内平俊浩の木彫展がおもしろい

 内平俊浩というおもしろい木彫作家がいる。現在銀座5丁目のギャラリーなつかで個展を開いている(25日まで)。

 内平はいつも若い女性のほぼ等身大の木彫を作っている。粗い仕上げで、それに彩色をしている。彼女たちは時代の流行の服装をしている。内平はもう20年も個展を繰り返しているので、その作品はモードというか風俗の移り変わりを示している。女子高生がガングロで白い口紅を塗っていた頃はそのような彫刻を制作していたし、今回はメイドの作品もある。

 内平の作品は精密な仕上げを拒否したものだ。現代の円空仏といえば分かってもらえるかも知れない。媚びがない気持ちの良い作品だ。ギャラリーなつかの空間を知悉しているので、5体がきれいに収まっている。近代ヨーロッパの彫刻観を基準にした見方からは理解しにくいかもしれないが、もっと高い評価を得られて良い作家だと思う。
 実家のある石川県には内平美術館が作られているという。

内平俊浩展 10月20日(月)〜25日(土)
ギャラリーなつか 11:30ー18:30(最終日17:00まで)
東京都中央区銀座5-8-17 ギンザプラザ8階
電話03-3571-0130
http://homepage2.nifty.com/gallery-natsuka/