ギャラリーなつかの内平俊浩展を見る

 東京京橋のギャラリーなつかで内平俊浩展が開かれている(10月22日まで)。内平は1960年石川県生まれ、1982年に名古屋芸術大学美術学部彫刻科を卒業している。1986年KOBATAKE彫刻工房基礎科を修了。1987年画廊春秋で初個展、以来ギャラリーなつか等で個展を繰返し、なつかでは今回が13回目となる。

 内平は木彫で等身大の若い女性を制作している。しかし、通常の具象的木彫作品とは少し異なっている。ごつごつしたノミ跡を残し彩色している。ちょっと鉈彫りの円空仏を思わせる。

右端は内平


 内平はヨーロッパ近代の木彫の美意識に対して批判的なのだ。独自の新しい美意識をたった一人で提案している。

 もう一つの特徴は制作当時の若い女性の風俗を正確に写していることだ。今回彼女たちはマスクをしたりしているが、過去にはルーズソックスを履かせたりしていた。風俗の変遷が見て取れるだろう。

 30年以上にわたってぶれることなく、制作し発表している内平の姿勢は評価されるべきものだと思う。

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内平俊浩展

2022年10月17日(月)―10月22日(土)

11:00―18:30(最終日17:00まで)

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ギャラリーなつか

東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1F

電話03-6265-1889

http://gnatsuka.com/