関根伸夫の「位相絵画」を見る

 関根伸夫展をギャラリーBS(旧ギャラリー美術世界)で見る。タイトルが「『位相ー大地』から40年、今位相絵画で語る」だ。「位相絵画」って何だろう。
 昨年も同じ画廊で関根伸夫展を見て、「もの派のエース関根伸夫の個展を見た」(id:mmpolo:20070227)を書いた。
 関根伸夫は1968年、美術展の会場であった公園(神戸須磨離宮公園)に円筒形の大きな穴を掘り、その土を穴の横に円筒形に積み上げた作品で有名だ。その作品のタイトルが「位相ー大地」だった。
 今回の「位相絵画」はその原点の作品をなぞって、平面の支持体に金箔を貼ってそれに穴を開け、穴の横に穴と同じ形(切り取った形)を貼り付けてある。「位相ー大地」のインスタレーションを絵画で再現したから「位相絵画」なのだろう。
 さて、この平面作品にどんな意味があるのだろう。造形的には見るべきものはない。「位相ー大地」から40年の結果がこれなのか。無残としか言いようがない。