東京銀座界隈の画廊16軒ほどで、東北芸術工科大学の卒業生支援プログラム「東北芸術工科大学アートウォーク」が開かれている(2月24日まで)。その一つ、京橋のギャラリー檜Bで大場さやか展が開かれている。大場は1980年宮城県生まれ、2006年に東北芸術工科大学大学院彫刻領域を修了している。2015年Hasu no hanaで初個展。パンフレットに書かれた大場の言葉より、
毎秒変化する自然の瞬時の出来事を思い、それに気付けぬまま生きていることに不甲斐なさと幸福を同じく感じる。だから時々大袈裟に見入ることがある。意識の有無に関わらず、一瞬の時間を孕む空間と接し、その空間を抉り貫き、現実を支える存在因となっていることに変わりはない。
画廊の中央に白い盤状のものがあり、その上に小石が数百個規則正しく並べられている。大場によれば、小石を濡れた和紙で包み、鉛筆でフロッタージュし、乾いたところで小石を取り去る。それを並べている。小石に見えれば成功だとのこと。まんま小石かと思った。
別の作品は側溝の縁石を模している。雑草が生えているように見えるのは、乾燥した雑草に漆を掛けている。
円筒が立ててあるのは、上部のみが地表をかたどり、その地下を想像して延長したものだという。府中市美術館の玄関前に永久設置されている若林奮の「地下のデイジー」を連想した。あるいは関根伸夫の「位相―大地」か。
外にも立体の小品やドローイングなど、なかなか興味深い作品だった。
・府中市美術館の若林奮の彫刻作品《地下のデイジー》(2016年5月22日)
大場さやか展
2018年2月19日(月)―2月24日(土)
11:30−19:00(最終日は16:30まで)
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ギャラリー檜B
東京都中央区京橋3-9-9 ウィンド京橋ビル2F
電話03-6228-6361
http://hinoki.main.jp