ギャラリー21+葉の笹井祐子展をぜひ見てほしい


 東京銀座1丁目のギャラリー21+葉で笹井祐子展が開かれている(18日まで)。これが最近になくすばらしい。
 笹井祐子は1966年生まれ、日大芸術学部研究所版画コースを卒業している。最初の個展は1989年にJCBギャラリーで、次いで1991年ギャラリー21+葉、私はその次の1993年9月のギャラリー21+葉のリトグラフ展から見始めた。当時から注目すべき画家だとは思っていたが、今回笹井は突然大きく飛躍した。
 笹井によるとこの夏男性モデルを使い、音楽に合わせて踊るモデルを即興で描いたという。モデルの踊る動きを重ね合わせて描いている。踊っている時間を定着することに成功している。笹井はモデルとの共同制作だと謙虚だが、15年ほど前の野見山暁治のドローイングを思わせる完成度だ。とにかく見ていて気持ちよい。いずれも木炭、クレヨン、アクリルで描いている。

大地の歌」194cm×390cm
 一番の大作で今回最も良い作品、タイトルからするとマーラーの曲に合わせて踊っているのだろうか。

「夏の日の歌I」194cm×261cm
これが次いで良かった。

「冬の旅」194cm×261cm
シューベルトの歌曲だろうか。

「夜と夢」194cm×130cm

「夏の日の歌II」194cm×130cm
今回これがイマイチだった。
 感激して帰宅してもらったカタログを見ると、ギャラリーで見た感動が甦らない。大きな実物の作品を見る必要がある。このブログで見ても今回の個展のすばらしさは伝わりにくいと思う。ぜひギャラリーへ足を運んで見てほしい。優れた作家の誕生に立ち会えるはずだ。

ギャラリー21+葉
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル2F 電話03-3567-2816
2008年10月13日ー18日、11:30ー19:00(最終日17:00)
http://www.gallery21yo.com/info-Frame.html