エズラ・F・ヴォーゲル/聞き手=橋爪大三郎『トウ小平』(講談社現代新書)を読む。3年ほど前、エズラ・F・ヴォーゲル『トウ小平』(日本経済新聞社)が刊行された。今回聞き手を勤めた橋爪は、それが極めて優れたトウ小平論でありながら、日本語版で上下2巻、1200ページもある大分なもので、学術書の体裁をとっているため一般の人に読みにくい、それで普及版を作りたいとヴォーゲルに相談してインタビューの形で本書が出来上がったという。
対談というかインタビューなのでとても読みやすい。むしろトウ小平についての雑談を聞いているような気軽さで読むことができる。それでいて、戦後中国の歩みが、その複雑な指導者たちの動きが整理されてよく分かるようになっている。中国を作った毛沢東と、その独裁的な政治を潜り抜けてついに中国を経済大国に押し上げたトウ小平の手腕。
以前読んだ橋爪大三郎ほかの『おどろきの中国』(講談社現代新書)も面白かったが、本書の面白さも格別だ。久しぶりに友人たちと所沢で飲んだのだったが、読みやすかったので所沢への往復の電車の中でこのほとんどを読んでしまった。トウ小平に対する理解、ひいては中国に対する理解が進むことを保証します。
・『おどろきの中国』は本当におどろきの書だった(2013年4月25日)
- 作者: エズラ.F・ヴォーゲル,橋爪大三郎
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- 作者: 橋爪大三郎,大澤真幸,宮台真司
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