コバヤシ画廊の渋谷和良展を見る

 東京銀座のコバヤシ画廊で渋谷和良展が開かれている(7月22日まで)。渋谷は1958年東京生まれ、1981年に東京藝術大学美術学部油画科を卒業し、1983年に同大学大学院美術研究科版画専攻修士課程を修了している。2002年から1年間、文化庁在外派遣研修員としてドイツベルリン芸術大学およびマールブルグ大学にて研修。1996年に柳沢画廊で初個展、その後ドイツや日本各地の画廊で個展を行い、2019年からは毎年コバヤシ画廊で個展を開いている。

「海に舞う"bolero"」

「月を仰ぐ"風の道"」



 画廊の正面壁に大きな作品が展示されている。天地181.8cm、左右454.6cmの大きさだ。「海に舞う”bolero”」と題されている。海の波の動きをボレロに見立てた抽象画だ。大きな動きと共に複雑に絡み合う小さな動きが相まって左右4メートル50センチという大作を構成している。

 右の壁には「月を仰ぐ”風の道”」という天地左右各224cmの正方形(Sサイズ)の作品が展示されている。縦の動きと広がりが感じられる。

 渋谷は東京藝大で野見山暁治に学んでいた。先に亡くなった野見山についての話を伺った。学生の頃、野見山から50号の風景画を絶賛された話がとても印象に残った。良い師と良い弟子のエピソードは記録に価するのではないか。

     ・

渋谷和良展

2023年7月10日(月)-7月22日(土)

11:30-19:00(最終日17:00まで)

     ・

コバヤシ画廊

東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1

電話03-3561-0515

http://www.gallerykobayashi.jp/