東京新富町のガルリSOLで松尾玲央奈展「関心領域」が開かれている(7月19日まで)。松尾玲央奈は1984年福岡県生まれ。2007年に女子美術大学芸術学部立体アート学科を卒業し、2012年に同大学大学院美術研究科美術専攻後期博士課程を修了している。初個展は2007年ガルリSOLで行い、以来SOLでの個展は今回で14回めになる。そのほか女子美アートミュージアムや銀座gallery女子美など多数個展を開いている。







今回は3点のみの展示になる。画廊正面に大きな作品「関心領域」が設置されている。4つのピースで左右500cmもある。鉛で作られたシャツがコンクリートに貼り付けられ、または組まれた鉄線に挟み付けられている。
「融和する行い」と題されたレリーフ状の作品は、鉛で作られ。桜の花が胴釘で止められている。下部の造形が何なのかよくわからない。しかし落ち着いた美しさを感じる。
小品「瞬箱」も鉛で作られた小さな箱。これも桜の花が胴釘できれいに止められている。
正面に設置された「関心領域」が素晴らしかった。具体的に何を表しているか分からなかったが、キーファーを連想した。
松尾は初期にはどこか工場の機械を思わせる閉じたオブジェを制作していた。同時にそれは防御に徹した甲冑を思わせた。攻撃=防御が松尾の特性かとも思っていたが、最近は作品の空間が開いてきた印象を受ける。
現在優れた中堅の立体作家に育ったと言えるだろう。
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松尾玲央奈展「関心領域」
2025年7月14日(月)-7月19日(土)
11:00-19:00(最終日17:00まで)
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ガルリSOL
東京都中央区新富1-3-11 銀座ビルディングNo.1(3階)
電話03-6228-6050