田中修『雑草散策』(中公新書)を読む。スミレ、オオイヌノフグリ、タンポポ、ウキクサ、ネジバナ、カタバミ、ツユクサ、ヘクソカズラ、ヒルガオ、ホテイアオイ、ドクダミ、イタドリ、イヌビユ、ネナシカズラ、クズ、ヒガンバナ、セイタカアワダチソウ、オナモミ、エノコログサ、ススキ、タケとササ、スギナ、シュロを取り上げてその生態や歴史などを詳しく紹介している。
私は前職で植物図鑑の編集を手伝い、図鑑に載せるための写真を撮っていたので、これらの植物のことはかなり知っているつもりでいた。いや、とんでもないことだった。知らないことが数多くありいろいろ学ぶことができた。
オオイヌノフグリは漢字では大犬陰嚢と書く。これは「大きな犬」の陰嚢ではなく、イヌノフグリという在来種があり、その近縁種で海外から入ってきた外来種がより大型だったため、大きな「イヌノフグリ」と命名されたのだった。
昔私が上司と温泉に入った折り、上司の陰嚢があまりに大きかったため、立派ですねえと褒める?と、いやこれは脱腸なんだと恥ずかしそうに返されたことがあった。後日その人から謂われない理由で会社を追われ、数年後その人が亡くなったと聞いた。その時私が作った戯れ句、オオフグリ骨も残さず焼けにけり。季題はオオフグリです。
カタバミに関して。著者は次のように書いている。
(……)クローバーには、見つけると「幸せになれる」とか「幸運が訪れる」とかいわれる「四つ葉」がありますが、カタバミでは、四つ葉を見かけることはありません。
以前銀行の倉庫の管理をしていたとき、先輩女性が四つ葉のクローバーを封じ込めたアクリルのキーホルダーを見せてくれた。彼女は珍しいのよと誇らしそうだったが、情け容赦のない私は冷たく指摘した。それはクローバーじゃなくカタバミです。カタバミはしばしば四つ葉が見られるが、その小葉はハート形をしていて、クローバーとは簡単に見分けられる。
このカタバミも最近は外来種が目立ち、ムラサキカタバミ、イモカタバミ、ハナカタバミ、オオキバナカタバミ、オッタチカタバミ、マメカタバミなどが増えている。オッタチカタバミがバイアグラの代用にならないかともし試した人がいたとすれば、それはわが友人のI田君以外にはないだろう。いやI田君にはそんなものは必要ないかもしれない。
以前threadsにスギナの頭に土筆(つくし)が着いている写真を載せた人がいて、これは何でしょうと問いかけていた。驚いたことに、放射能の影響ですとか農薬の影響ですというバカな回答をしている人たちがいた。正解はイヌスギナだった。つくづくネットの世界は当てにならないと思ったのだった。
