東京神楽坂のM.G.P 宮崎進記念美術館で宮崎進の常設展示を見る。1階とB1階の二つの部屋だけの展示だが、さすがに良い作品が展示されている。特に1階の平面作品が良い。立体は1階に大きな頭部が、地下にトルソが設置されている。トルソは悪くなかった。











宮崎進は戦後シベリアに抑留されていた。帰還したのは1949年、実に4年間も抑留生活を送っていたのだ。それでもシベリア抑留より、中国での軍隊生活が辛かったと言っていたそうだ。
以前、神奈川県立近代美術館葉山で見た宮崎進展での宮崎の言葉。「そこ(=シベリア)での悲惨な生活は写実的に描くことでは絶対に表現できない。そのような思いから、わたしは、シミだらけの襤褸(ぼろ)のような布のコラージュを手法として用いた」。
また、同じくシベリアに抑留されていた詩人石原吉郎の言葉、これは『石原吉郎詩集』(思潮社)のあとがきより、
〈すなわち最もよき人びとは帰っては来なかった〉。〈夜と霧〉の冒頭へフランクルがさし挿んだこの言葉を、かつて疼くような思いで読んだ。あるいは、こういうこともできるであろう。〈最もよき私自身も帰っては来なかった〉と。今なお私が、異常なまでにシベリヤに執着する理由は、ただひとつそのことによる。私にとって人間とは自由とは、ただシベリヤにしか存在しない(もっと正確には、シベリヤの強制収容所にしか存在しない)。日のあけくれがじかに不条理である場所で、人間は初めて、自由に未来を想いえがくことができるであろう。条件のなかで人間として立つのではなく、直接に人間としてうずくまる場所。それが私にとってのシベリヤの意味であり、そのような場所でじかに自分自身と肩をふれあった記憶が、〈人間であった〉という、私にとってかけがえのない出来事の内容である。
M.G.P 宮崎進記念美術館は毎週木曜日のみ開館。美術館の設計は小川広次で、これも素晴らしい。
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宮崎進常設展
毎週木曜日開館
11:00-17:00
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M.G.P 宮崎進記念美術館
東京都新宿区矢来町102-3 M.G.P