山本弘の作品解説(60)「庚申塚(仮題)」


 山本弘「庚申塚(仮題)」、油彩、F10号(53.0cm×45.3cm)
 制作年不詳。サインもない。そのことと作風から晩年の作品だろう。飯田地方に庚申と書かれた石碑の庚申塚が多くみられる。それを描いたものだろう。石碑の表面が画面いっぱいに描かれ、大きな文字で庚申と書かれている。左上に山本特有の薄緑色・ネギの色が置かれている。
 筆触で石碑の形を表わし中心に庚申の文字。単純な構図だがとにかく美しい。山本の特色が大きく表れている。この作品も秋の個展に出したい。