『人口大逆転』の書評が興味深い!



 佐藤義雄が紹介する『人口大逆転』(グッドハート、プラダン著、日本経済新聞出版)の書評が大変興味深い(読売新聞、2022年8月14日)。それは次のように書かれている。

 

 著者はこれまでの約30年間の世界経済のトレンドを分析し、今後の展開を予想する。この間、世界的にディスインフレやデフレ傾向が続いたが、これは中国という巨大な存在の世界経済への参入、特にWTOに加盟し、海外市場へのアクセスを得たことを最大要因とする。中国が世界の工場となり、安くしかも極めて豊富な労働力と商品の供給をもたらしたことを主因として、先進国の雇用環境が悪化し賃金が低下したことが、この間のディスインフレやデフレを産んだのである。

 ではこの状況は今後どうなるのか。中国における出生率の低下と農村から都市への人口移動のピークアウトにより、中国の生産年齢人口は今後頭打ちとなり、世界のデフレ圧力となるような労働力供給は望めない。これに加え先進国や中国での高齢化の進展により供給より需要が増え、今までのトレンドは逆回転となり賃金・物価・金利の上昇傾向が明確になると予想する。

 

 今後は「賃金・物価・金利の上昇傾向が明確になる」と予想している!