2つの松尾玲央奈展が開かれている

 東京銀座の2つのギャラリーで松尾玲央奈展が開かれている(3月10日まで)。銀座6丁目のガルリSOLと銀座4丁目のGGJ(Ginza Gallery Joshibi=銀座ギャラリー女子美)だ。松尾は1984年福岡県生まれ、現在女子美術大学大学院博士後期課程在学中。ガルリSOLでは女子美術大学を卒業した2007年の初個展から今回で5回目だ。



 松尾は金属の立体を作っている。機械のようでもあり容器のようでもある不思議な形の立体だ。そうは言いながら具体的な機能があるようにも見えない。初個展からずっと見てきたが、松尾の作品を語る言葉が見つからなかった。誰の作品にも似ていない。いったいこれは何だろう。
 今回SOLの会場の中央に展示された作品の台座は鏡面のように磨かれているが、これはステンレスとのこと。箱の部分はアルミで作られている。すべて作家自身が制作し、業者に発注してはいないという。GGJでは動力で動く作品が展示されていた。テレビドラマのセットに使われたという。
 松尾に好きな作家を尋ねると意外にもジャッドだという。ジャッドはミニマルで飾り気がないのに、松尾の作品はミニマルとは言えないだろう。とは言え、一見装飾的ではありながら、確かに情緒的なものは感じられない。無機質ながら無機能と言い切ることもできない。どんな流派にも属さない独自の立体作家なのだ。
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松尾玲央奈
2012年3月5日(月)〜3月10日(土)
11:00〜19:00(最終日17:00まで):ガルリSOL
12:00〜19:30(火曜日休廊):GGJ
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ガルリSOL
東京都中央区銀座6-6-10第二鎌田ビルB1F
電話03-5537-6960
http://www005.upp.so-net.ne.jp/SOL/
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GGJ(Ginza Gallery Joshibi)
東京都中央区銀座4-10-6永井画廊ビル6F
電話03-5551-1900