東京銀座の藍画廊で若宮綾子展が開かれている(11月7日まで)。これがとても良かった。若宮は1966年神奈川県横浜生まれ、1989年女子美術大学芸術学部洋画科油絵専攻卒業、1990年同大学芸術学部研究課程を修了している。1993年に藍画廊で初個展、以来毎年のように藍画廊で、また西瓜糖やギャラリーGAN、ガルリSOL、トキ・アートスペースなどで個展を行っている。
画廊に入ると何やら不思議な立体作品がある。華奢な細い足が箱のようなものを支えている。作家が不在だったので正確には分からないが、いつもシナベニヤを彫刻刀で薄く削りそれに着色している。それが今回は足が付けられて立ち上がっている。箱状のものは一見不格好な仕上がりを示し、それはいつもの事なのだが、今回はその完成度の高さに驚かされた。
その他、壁にはその箱状の作品がいくつも取り付けられている。いずれも素晴らしい。シナベニヤの素材感を生かして、パステルやクレパスや水性インクで彩色されている。素材と色彩の総合されたマチエールがとても良く、少しゆがんだ造形がそれをさらに魅力的にしている。
価格もとても安価だ。ぜひ多くに人に見てほしい。
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若宮綾子展
2020年11月2日(月)-11月7日(土)
11:30-19:00(最終日18:00まで)
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藍画廊
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル2階
電話03-3567-8777