ギャラリー銀座フォレストの飯嶋亜依展が興味深い

 銀座1丁目のギャラリー銀座フォレストで開かれている飯嶋亜依展が興味深い(3月31日まで)。飯嶋は1988年茨城県生まれ、女子美術大学短期大学部テキスタイル専攻科を卒業している。初個展は昨年ギャラリー銀座フォレスト・ミニで開いた。飯嶋はテキスタイル専攻科を卒業しているので、筒描きという染色技法で作品を制作している。これはファインアートの作家にはあまり見かけないユニークなものだ。飯嶋の強みと言えるだろう。筒描きについてのテキストが置かれていた。

筒描きとは……餅粉・糠・食塩・染料・水を混ぜ合わせた「色のり」を筒に入れ、絞り出しながら布の上に描いてゆき、蒸して染め上げる技法。

 友禅染などの技法だとのこと。





 大きな作品はたくさんの小さな作品を貼り合わせたもの。昆虫やリボン、受話器、心像や空き缶などが描かれている。そしてそれらが焦がされている。蛾や昆虫の幼虫を描いたものなどなかなか正確で惹かれるものがあった。これらが筒描きという特殊な技法で描かれていることも魅力的なのだ。類例がないというのは大きな強みだろう。
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2012年3月26日(月)−31日(土)
12:30−19:00(最終日は17:30まで)
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ギャラリー銀座フォレスト
東京都中央区銀座1-9-8奥野ビル5階
電話03-3564-3564
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 ちなみにギャラリーのある奥野ビルは、戦前に外国人のために建てられた鉄筋コンクリートのビルで、でも現在からすれば驚くほど狭い。いまでは20軒以上のギャラリーが入っている画廊ビルとなっている。エレベーターは昔ながらの手動式だ。