東京都現代美術館近くのアンドーギャラリーで中沢研展が開かれている(4月28日まで)。中沢は1970年東京生まれ、1994年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。1992年にINAXギャラリー2で個展を開いた後、ギャラリー現やギャラリー山口などで個展を続け、最近はギャラリー58とアンドーギャラリーで個展を繰り返している。中沢はいつも立体というかインスタレーションを展示してきたが、2008年のアンドーギャラリーの個展で初めて平面作品を発表した。
・ANDOギャラリーの中沢研展がすばらしい(2008年8月22日)
・中沢研展(2006年4月2日)
今回は立体作品=インスタレーションである。これはおもしろかった。細い鉄線を長いコの字型に曲げて立て、垂直に立つ左右の2本の線の中央付近を短い水平の線で繋いでいる。さらにその下方の床近くに同じ様な水平の線をもう1本繋いでいる。中央の水平の線が繋がれているところを挟んで長い鉄線が手前から奥の壁まで伸びている。これは壁に固定されているように見える。コの字型の縦の鉄線を、横に繋ぐ長い鉄線が固定して、作品が構成されている。これが4列あり、作品のタイトルが「4列」となっている。
ギャラリーは中央に柱が立ち、作品はそれを除けて設置されている。アンドーギャラリーの空間を再構成しているのだ。しかし細い鉄線という構造なので空間は遮られることなくすべて見通せる。横に長く伸びた鉄線が錆びているのは、存在感を出すためのようだ。そうしなかったら、作品が必要以上に空間に溶け込んでしまったかもしれない。
そのように「4列」は空間を再構成している。そして作品はこの空間を再構成している鉄線の構造物そのものなのだ。ここにインスタレーションの典型的な姿があると偉そうに言っておこう。
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中沢研展
2012年2月7日(火)−4月28日(土)
11:00−19:00(日・月・祝日 休廊)
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アンドーギャラリー(ANDO GALLERY)
東京都江東区平野3-3-6
電話03-5620-2165
http://www.andogallery.co.jp
地下鉄半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩10分
地下鉄大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩12分
地下鉄東西線木場駅3番出口より徒歩15分
東京都現代美術館から徒歩5分くらい
ギャラリーの前にスーパーのAEON Max Valu Expressがある。