ギャラリー1/fの菅野美榮展「いきるかたち・ははこぐさ」が美しい

 東京お茶の水のギャラリー1/fで菅野美榮展「いきるかたち・ははこぐさ」が開かれている(11月28日まで)。タイトルのようにハハコグサ(母子草)の無数の花を空中に浮かべている。花は大きな宝石のような形を空中に作っている。それはハハコグサの花を、絹糸を縒りあわせ蜜蝋で固めた糸に付けたもの。糸の数は500本前後あるという。
 菅野は群馬県生まれ、1968年共立女子短期大学を卒業したのち、1971年日本デザインスクールを卒業している。1990年、銀座のギャラリー・オカベで初個展。その後、ギャラリートモスやギャラリーテムズ、ギャラリー椿、K'sギャラリー等々で多くの個展をしてきた。近年はタンポポの綿毛を無数に使ったインスタレーションなどを発表している。




 端的に言ってとても美しい造形だ。糸に留められて上から吊り下げられたハハコグサの花が、まるで仮想空間にも似た豪華なシャンデリアのような形を作っている。コンピューターの画像で見た堅固な立体がいま崩れつつあるような、あるいは集合して凝縮しつつあるような、そんな一瞬を止めた画像にも見える。そのことを作家の手でアナログで作ったことに意味があるだろう。とても見応えのある作品だ。写真ではなく、ぜひ実物を見ることをお勧めする。
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菅野美榮展「いきるかたち・ははこぐさ」
2015年11月18日(水)ー11月28日(土)
11:00〜18:30(日曜・最終日は17:00まで)月曜休廊
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ギャラリーf分の1
東京都千代田区神田駿河台1-5-6 コトー駿河
電話03-3293-8756
http://www.galleryf-1.net
JRお茶の水駅 御茶の水橋口改札より徒歩5分ほど。
丸の内線 御茶の水駅および千代田線 新御茶の水駅よりそれぞれ徒歩5分ほど。