東京銀座の藍画廊で岡典明展「船 山を往く」が開かれている(2月12日まで)。岡は1964年横浜市生まれ、1990年多摩美術大学大学院美術研究科修了。個展は1991年から藍画廊など様々な画廊で行っている。
今回の展示は針金を錆びさせて紙の上に置き。錆を転写したものだ。針金は紙の上を移動させて、複雑な軌跡を描いている。紙に転写された錆の軌跡、それは経過した時間の具現化とも言える。時間が錆という形で定着されている。と同時にそれが岡の作る造形でもある。針金と錆が作る時間の定着だと考えれば興味深い作品だと言えるだろう。
額の中に茶色の物体が置かれている作品もあった。これは何かと尋ねると、古くなって劣化したセロテープを潰したものだという。やはりこれも時間の堆積を表しているだろう。
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岡典明展「船 山を往く」
2022年1月31日(月)―2月12日(土)※会期が延長されたとのこと!
11:30-19:00(最終日18:00まで)
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藍画廊
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル3階
電話03-3567-8777