藍画廊の番留京子展を見る

 東京銀座の藍画廊で番留京子展が開かれている(2月26日まで)。番留は富山県生まれ。1985年、創形美術学校を卒業している。1986年、ギャラリー青山で初個展。以来多くのギャラリーで個展を開いてきたが、最近はギャラリー・オカベで定期的に開催してきた。だがオカベが一昨年閉廊したので去年から藍画廊に会場を変えている。

 画廊の壁面一杯に展示した大きな木版画「阿・吽」、1620x5280mm。右が獅子、左が狛犬だという。いつもながら見事な造形だ。番留の作品はユーモア、愛嬌がある。とても楽しいキャラクターを描いている。それにしてもこれだけの大作を彫り刷るのはどんなに大変だろう。

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「阿・吽」

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 大作は白黒の木版だったが、多色刷りの版画も作っている。何版でできているのか訊くと、何と3版だという。それでこれほどの多彩な色を出しているのかとこれまた驚いた。

 番留は和歌山に住んでいる。Facebookにいつも熊野への登山の案内を投稿している。番留の大きなテーマである龍や獅子などのモチーフ、どこか熊野信仰と関係していると思われた。熊野を詠んだ渚男の句を思い出した。

 

熊蝉や熊野は山の噛みあへる   矢島渚男

 

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番留京子展

2022年2月15日(火)―2月26日(土)

11:30-19:00(最終日18:00まで)日曜休廊

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藍画廊

東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル3階

電話03-3567-8777

http://igallery.sakura.ne.jp/