ギャラリー砂翁の葛生裕子展を見る

 東京日本橋本町のギャラリー砂翁で葛生裕子展が開かれている(7月14日まで)。葛生は1965年東京生まれ、1988年に多摩美術大学絵画科を卒業している。1986年にかねこあーとギャラリーで初個展をし、その後西瓜糖、コバヤシ画廊、藍画廊、ルナミ画廊、秋山画廊、モリスギャラリーなどで個展を行っている。
 葛生の特長は強く華やかな色彩と激しい筆触だろう。今回、中央上部寄りで色彩によって画面を二分しているような作品と、そうではないやや激しい作品が並んでいる。また正方形の作品は板に描いたもので、長方形の作品はキャンバスを使っているとのこと。いずれも油彩だ。
 上下を二分した作品からはロスコを連想した。おそらく葛生はロスコが好きなのだろう。だが葛生の激しさはロスコにはないものだ。







 画廊に置かれたファイルには西瓜糖で行っていた初期の作品が収められていた。それらは激しく暴れている印象の作品で、その後その激しさを内向させ洗練させて、現在の艶っぽい表現に到達したことがよく分かった。
 砂翁の地下のアートショップトモスBでは小品が並べられている。いつもながら葛生のCPの高さには半ば驚き、半ばあきれてしまう。
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葛生裕子展
2017年7月3日(月)−7月14日(金)日曜休み
11:00−18:00(最終日17:00まで)
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ギャラリー砂翁
東京都中央区日本橋本町1-3-1 渡辺ビル1F
電話 03-3271-6693
http://saohtomos.com
地下鉄(銀座線・半蔵門線三越前駅A1番出口より徒歩3分