東京日本橋本町のギャラリー砂翁で葛生裕子展が開かれている(4月13日まで)。葛生は1965年東京生まれ、1988年に多摩美術大学絵画科を卒業している。1986年にかねこあーとギャラリーで初個展をし、その後西瓜糖、コバヤシ画廊、藍画廊、ルナミ画廊、秋山画廊、モリスギャラリー、飯田オフィスなどで個展を行っている。
葛生は現在数多くはない抽象画家のなかで代表的な中堅作家になっている。優れた仕事を発表し続けている。作品はしばしば上下を2分割し、静かな色面と動きのある画面の構成で制作している。
画廊の外から見える壁面に2×3の6面並べられた作品群がことに素晴らしい。いずれもF15号の作品だが、驚くような価格が付けられている。葛生は中堅画家でしかも作品の質はトップレベルだというのに、価格だけは新人以下なのだ。仮に6点買い占めても30万円にも達しない。油彩の小品に至っては版画家の作品より低価格なのだ。ぜひ葛生の作品をコレクションに収めることをお勧めする。
最近始めたという粘土で作った立体も展示してあったが、こちらはあまり面白くなかった。
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葛生裕子展
2019年4月2日(火)-4月13日(土)
11:00-18:00(最終日は17:00まで)日曜日休廊
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ギャラリー砂翁
東京都中央区日本橋本町1-3-1 渡辺ビル1F
電話 03-3271-6693
http://saohtomos.com
地下鉄(銀座線・半蔵門線)三越前駅A1番出口より徒歩3分