東京画廊+BTAPの松浦浩之展を見る

 東京銀座の東京画廊BTAPで松浦浩之展「新作マルチプル作品展示会」が開かれている(8月10日まで)。松浦は1964年東京生まれ。画廊のホームページから、

2005年に東京画廊で開催された個展『Super Acrylic Skin』でデザイナーからアーティストへと転身し、以降、絵画、立体、版画など作品の形式を広げながら、国内外で作家活動を行っています。(中略)

松浦の作品に現れる多彩なキャラクターは、画面一杯にクローズアップした大胆な構図で捉えられます。(中略)キャラクターを創り出すことを仕事としてきた松浦にとって、日々 消費され忘れ去られていく彼・彼女たちは、空想でありながらも極めて身近な存在でした。(中略)

本展では、新作フィギュア(エディション 120)を国内で初めて展示販売いたします。Windy Bunny 2022 (Figure)は松浦が2007年に制作したWindy Bunnyを発展させたもので、本展ではうさぎの着ぐるみをかぶった幼い子供が、16 年の時を経て成長し、私たちの前に再び現れます。また、2022年より制作しているシルクスクリーンジークレー版画 9 種類、さらには 100号 サイズの新作ペインティングも合わせて展示する予定です。


 このようにイラストとファインアートが急速に接近している。そのボーダーラインあたりに位置するのが村上隆だろうか。いや接近しているというよりも、接近させているのは画商の戦略だろう。なぜ画商はそのような戦略を採るのか? それはイラスト的な作品を求めるコレクターが増えているからだろう。

 イラスト的な作品といえば、ポップアートのウォーホルだってそのきらいがあったし、そもそも美人画もそうだろう。イラスト的な作品がファインアートの側に留まろうとするなら、作家の側に何らかの批判がなければならないだろう。

     ・

松浦浩之展

2023年7月27日(木)―8月10日(土)

12:00―18:00(日・月・祝 休廊)

     ・

東京画廊BTAP

東京都中央区銀座8-10-5 第4秀和ビル7階

電話0 3-3571-1808

https://www.tokyo-gallery.com/