東京銀座の東京画廊+BTAPで李鎮雨Lee Jin Woo展が開かれている(12月25日まで)。李は1959年韓国ソウル生まれ、1983年に韓国の世宗大学を卒業後、1986年に渡仏し、パリ第8大学造形美術学ならびにパリ高等美術大学(材料学研究)を卒業、現在はパリを拠点に活動している。
画廊の配布するちらしから、
李の作品の特徴は表面の質感と、その質感のもたらす黙想的な情緒にありますが、それは独特の制作法によって生み出されます。李は韓紙をキャンバスとして用い、その上に炭を乗せ、さらに韓紙を置いた後、表面を鉄のブラシで繰り返し叩いたり、引っ搔いたりします。この鉄ブラシの作業によって、画面には多様な質感の変化がもたらされます。砕かれて韓紙に染み込んだ炭の形と、また少ないときには数枚、多いときには数十枚まで重ねられた韓紙によって、凹凸のあるモノクロームの画面が作り出されるのです。
韓国の現代美術にはモノクロームのミニマルアートの伝統がある。制作技法はそれぞれ違うものの、作品の表情は似通っている。4年前の東京オペラシティーアートギャラリーで「単色のリズム 韓国の抽象」という展覧会が開かれてそのことを知った。そういう意味では李も優れてその伝統に連なる画家なのだった。
「単色のリズム 韓国の抽象」展で配布された資料から、
韓国の抽象絵画は、欧米の同時代美術を受容する過程で東洋的な精神性をたたえた韓国固有の表現として確立し、ことに1970年代に発展した「単色画(ダンセッファ)」は、極限までそぎ落とされたミニマルな美しさと繊細な息づかいを特徴として豊かな展開を見せました。この動向を担った作家たちは、本国の韓国と並んで日本でもさかんに紹介され、70年代から90年代にかけて両国アートシーンの活発な交流をもたらしました。
韓国の現代美術に触れる良い機会だと思う。
・東京オペラシティアートギャラリーの「単色のリズム 韓国の抽象」を見る
https://mmpolo.hatenadiary.com/entry/20171029/1509271933
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李鎮雨Lee Jin Woo展
2021年11月4日(木)―12月25日(土)
12:00―18:00(日・月・祝 休廊)
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東京都中央区銀座8-10-5 第4秀和ビル7階
電話0 3-3571-1808
https://www.tokyo-gallery.com/