東京銀座のコバヤシ画廊で野沢二郎展「風をふくむ、断章」が開かれている(4月24日まで)。野沢は茨城県生まれ、1982年に筑波大学大学院を修了している。これまで「VOCA展'97」や同年の「バングラデシュ. アジア美術ビエンエーレ」に参加し、2012年はDIC川村記念美術館の企画展「抽象と形態」にも選ばれた。ここ銀座のコバヤシ画廊では2000年以降毎年個展を開いている。
今回の野沢の作品は今までに比べて激しさが見える。野沢は水面をテーマにしたような静かな抽象作品を描いてきたが、最近数年はそこに強い筆触を加えていて、画面が荒々しくなってきた。野沢は抽象作品を描くことにこだわっているのか、具体的な形を描かない。それで変化=展開を求めたときに筆触によってそれを実現しようとしているのではないか。アンフォルメルの「熱い抽象」を連想する。
野沢のコバヤシ画廊での個展も今回で21回目となった。
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野沢二郎展「風をふくむ、断章」
2021年4月19日(月)―4月24日(土)
11:30-19:00(最終日17:00まで)
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コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/