長野県の飯田市美術博物館で「コレクション展示 洋画家たちの小部屋―心の深遠―」が開かれている(10月1日まで)。地元出身の画家が取り上げられている。わが山本弘とその先輩関龍夫、それに原鼎の3人だ。3人で合わせて29点が展示されている。
ここでは山本弘を紹介する。
2つの部屋が用意され、山本は11点が展示されている。特に晩年の100号と50号が素晴らしいし、「塀」(12号)と「沼」(10号)は山本弘の傑作と言っていい。恥ずかしながら20歳の私を描いた「青年」(12号)も展示されている。昔会社の女性社員に図版を見せたらひと言「ゾンビ」と言われ作品だ。また1967年と1968年に起こったアメリカの黒人暴動を描いたという「黒い鳥」(30号)も展示されている。これは1968年8月の個展で発表している作品だ。
「路地裏」(100号)は久しぶりに展示された。画面中央に白い帯が厚塗りされている。この白は路地の向こうに見える明るい光で、路地の両側は暗い壁になっており、壁には子供?を描いた絵馬かポスターのようなものが多数下がっている。少年と猫も描かれている。
「題不詳」(50号)は斜面の下端に小さな家が描かれており、同じような構図の10号くらいの作品が、東御市の梅野記念絵画館で始まる山本弘展に出品される予定だ。同じテーマを大小2つの画面でどう描き分けているか比べてみると面白いと思う。
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「コレクション展示 洋画家たちの小部屋―心の深遠―」
2023年8月26日(土)―10月1日(日)
9:30―17:00(月曜休館)
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飯田市美術博物館
長野県飯田市追手町2-655-7
電話0265-22-8118