Stepsギャラリーの槙野央展を見る

 東京銀座のStepsギャラリーで槙野央展「日々のあれこれ」が開かれている(9月2日まで)。槙野は1972年茨城県生まれ、1997年に茨城大学大学院教育学研究科美術教育専修を修了している。1994年にときわ画廊などで個展をし、つくば美術館などのグループ展に参加している。

 画廊主の吉岡まさみのブログから今回の展示についての紹介を引く。

今回は案内状にあるプラモデルの箱の作品が圧巻である。箱にビニールの紐が掛けてあるのだが、この紐も一枚板から彫り出してあるのだ。見入ってしまう。

他の作品で面白いのは、「木彫りのお土産」。北海道の木彫りのお土産といえば熊が定番だが、槙野のお土産は「白い恋人」なのである。槙野はタイトルでも遊ぶ。

一番ひねってある作品は「赤松角材」である。これは売っている赤松の角材から、赤松の角材を彫り出すというものだ。角材から角材を作るのである。何のことはない、角材の表面を削っていき、新しい角材を作るのだ。彫刻であると同時にきわめてコンセプチュアルな作品になっている。

槙野は「パッケージ」を作って本物に近い似姿を作ってきたが、最近は人物が興味を惹く。「テレビが気になる」、「この水溜まりは跳び越えられるか」、「空に何かが」はしみじみとする作品である。

 

最中

箸袋

沖縄のアイス

テレビが気になる


 卵の作品も面白かった。槙野は苦労して曲面を彫っているというが、私も出来合いの木製の卵が伊東屋かどこかに売られていたのを買って持っている。

 他に最中とか沖縄のアイスとか箸袋とかも面白かった。ミニチュアの家の模型みたいなのはS先生の実家とか題されていた。

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槙野央展「日々のあれこれ」

2023年8月23日(水)―9月2日(土)

12:00-19:00(最終日は17:00まで)日曜休廊

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Stepsギャラリー

東京都中央区銀座4-4-13琉映ビル5F

電話03-6228-6195

http://www.stepsgallery.org