東京銀座のStepsギャラリーで吉岡まさみ展「秘密の記憶2021」が開かれている(7月24日まで)。吉岡は1956年、山形県生まれ。1981年に東京学芸大学教育学部美術科を卒業している。1982年に東京のかねこ・あーとGIで初個展、以来同画廊やときわ画廊、巷房などさまざまな画廊で個展を行ってきた。2007年からはアメリカやドイツなどでも個展を行っているし、2015年にはセルビアの国立美術館で倉重光則とセルビア人画家との4人展を行った。またドイツで日独のアーチストによるグループ展にも参加している。
ギャラリーの入口近くのの壁に吉岡のインスタレーション作品が描かれている。その制作方法について、以前聞いた話では、
1.B1の大きさの紙にマジックインクでドローイングする。
2.ドローイングを縮小コピーし、透明フィルムに転写する。
3.プロジェクターを使って、フィルム作品を画廊の壁に大きく投影する。
4.投影された作品の線の上をなぞりながらデザインテープを貼っていく。
5.テーピングはすべてスタッフが行い、作家本人は制作に加わらない。
今回もあまり変わってはいないだろう。画廊の壁面へのテープを貼る作業はスタッフにまかせ、吉岡は一切タッチしない。もちろんドローイングは吉岡が描くし、テープの色もどの壁面に投影するかも吉岡が決めている。しかし仕上げには一切タッチしていないのだ。
壁に写真が貼られ、写真の上からドローイングを元にしたテープが貼られている。すると、写真が表している記憶と、それにまつわる茫漠としたさまざまな記憶を雲のような霧のようなテープで描かれた形態が表現しているのだろうか。
奥の事務所の壁には、板に描かれた(転写された)図形を削った作品「スクラッチドローイング」が展示されている。
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吉岡まさみ展「秘密の記憶2021」
2021年7月14日(水)―7月24日(土)
12:00-19:00(日曜休廊、土曜日17:00まで)
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Stepsギャラリー
東京都中央区銀座4-4-13琉映ビル5F
電話03-6228-6195