東京銀座の藍画廊で峯岸千絵展「あらわれありふれた形」が開かれている(11月20日まで)。峯岸は1976年生まれ、現在千葉に住んでいる。1999年東京造形大学造形学部デザイン科卒業。2005年にギャラリー現で初個展、以来ギャラリー現で個展を続けていたが、ギャラリー現が閉廊したのちは藍画廊で個展を続けている。
今回タブローとドローイングが並んでいる。ドローイングは一見して面白いと思ったが、タブローはよく分からない。そう言うと峯岸はタブローは時間をかけて描いているからではないかと言う。4年前のギャラリー現の個展では、画面の中にアーモンド形があったり、もう少し形象が多かった。今回は矩形が組み合わさっているが、形としては単純だ。しかしよく見れば、単純そうな形がずれたり重なりあったりしていて、意外と複雑な様相を見せている。色彩を使わないのは、その形の追及に注目させて、色彩によって焦点をぼけさせるのを嫌っているためだろうか。
一見単純な形が、時間をかけて追及していった、例えば熟成されたワインを連想させると思えば、その形象をじっくりと味わうべきなのかもしれない。たしかにそこには見飽きない形がある。
・
峯岸千絵展「あらわれありふれた形」
2021年11月15日(月)―11月20日(土)
11:30-19:00(最終日18:00まで)
・
藍画廊
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル3階
電話03-3567-8777