保証協会の役目

 一般に上場していない中小企業の経営者は、銀行から借り入れをするときにその連帯保証を求められる。連帯保証人だけは決してなるなとの親の遺言があっても、これは逆らえない。会社が銀行から融資を受けると、経営者がその連帯保証人になる。そして会社が倒産すれば経営者が債務を保証しなければならない。
 銀行は貸出に当たってしばしば保証協会の保証を要求する。融資を受ける中小企業は保証料を支払って保証協会の保証を受ける。このことがときどき誤解されている。倒産しても保証協会が保証してくれるから、連帯保証からは免れたと思う経営者が多いようだ。会社が倒産したとき、保証協会が保証するのは銀行の債権なのだ。倒産した企業に代わって保証協会が銀行に債務を支払う。しかしこれで終わった訳ではない。債務が消えるわけではない。銀行が持っていた企業に対する債権が保証協会に移っただけなのだ。保証協会は倒産した企業の連帯保証人に対して債権の支払を要求する。それもサラ金の子会社の債権回収会社に委託して。
 ある経営者が会社のオーナーから解任されたとき、その取引銀行は数か月で彼を連帯保証人から外した。だが保証協会は連帯保証を外すことを拒否した。彼が経営していたときの借金だから最後まで責任があるというのがその言い分だった。