プルーン灰色かび病

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 パックで買ったプルーンの1個にカビが生えていた。これは灰色かび病で、灰色かび病菌(Botrytis cinerea)によって発生する。灰色かび病菌は多犯性で、様々な作物に寄生する。ブドウや桃、桜桃、ナス、トマト、イチゴ、バラ、その他多くの野菜や花きなど。

 高級ワインの貴腐ワインは、灰色かび病に侵されたぶどうから作るという。だから灰色かび病には人体に対する毒性はないと思う。私もプルーンでは病患部を取り除いて食べてしまった。

 むかしイチゴ農家を取材したとき、うどんこ病に侵されて白いかびが寄生しているイチゴを収穫している農家があった。そのイチゴどうするんですかと訊くと、ジャム工場へ出荷するんだとのことだった。うどんこ病も人体には影響がないようだった。

 お茶の農家を取材したとき、2番茶だから手摘みではなく機械で茶摘みしていた。収穫した籠の中を見ると、小指ほどもあるチャハマキの幼虫が茶葉と一緒に何匹も収穫?されていた。これまた茶葉と一緒に茶にするのだという。私も田舎でカミキリムシの幼虫を食べていたのでさほど驚かなかった。

 養鰻業者つまりウナギの養殖業者を取材したことがあった。ウナギの寄生虫を駆除する殺虫剤メーカーに依頼されてのことだった。その寄生虫イカリムシといって、頭をウナギの体に食い込ませていて、細長い虫がウナギの体にひらひらくっついている。養殖池では定期的に殺虫剤を散布していて、寄生虫はほとんどいないということだった。寄生されているウナギはどうするのか訊くと、普通に出荷するが安い価格でしか売れないという。そういう訳ありのウナギは安い店の蒲焼になるとのこと。熱を通すから人体への問題はないというが、取材で撮影のためイカリムシがたくさん寄生しているウナギを見たものだから、それから数年間ウナギの蒲焼が食べられなかった。ま、高い店に行けば問題ないのだが。

 蒲焼ついでに、昔南千住の老舗の蒲焼屋尾花へ行ったことがあった。ここは天然うなぎを使うことで有名で、客が来てからウナギをさばいている。それを知らないから一人でオートバイで行った。広い座敷に通されたが、オートバイなので酒を飲むこともできない。本も持ってこなかったので、料理が運ばれるまで30分ほど一人でじっとしていた。周りでは複数で来ている客が楽しそうに談笑していた。ウナギはもちろん美味かったが。