東京神田神保町の文房堂ギャラリーとボヘミアンズ・ギルドで大西茅布展が開かれていた(9月4日まで)。大西は2003年大阪府生まれ、今年最年少で岡本太郎賞を受賞し、4月には東京藝術大学絵画科油画に現役合格した。今回ボヘミアンズ・ギルドが主催し、文房堂ギャラリーを借りて同時に2カ所で個展を開催した。
最年少で岡本太郎賞受賞というのがマスコミで取り上げられ、弱冠18歳の個展でほとんど完売となっている。
画風はちょっとゴヤとかグレコを思わせるが、勢いがあって大賞を受賞するとはこのような傾向かとある種納得する。その点、一昨年日本橋三越で1回の個展で3億円を売り上げたという小松美羽との共通性を感じた。
二人とも勢いがあって若いエネルギーが溢れている画風だが、作品そのものは未熟さを隠せない。あるいはコレクターにとっては、作品の完成度等は二の次で、話題性が大事だということだろうか。若いから駄目だというのではない。中村宏が傑作「砂川五番」を描いたのはわずか23歳だった。要は作品の良し悪しなのだが。
こんなに若くして世俗の成功を収めるということが大西にとって良いこととは思えない。今後努力を重ね真に優れた画家を目指すことを希望する。
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大西茅布展
2021年8月24日(火)―9月4日(土)
11:30-17:00(最終日15:00まで)
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文房堂ギャラリー
ボヘミアンズ・ギルド
電話03-3294-3300