ステップス・ギャラリーの達和子展を見る

 東京銀座のステップス・ギャラリーで達和子展が開かれている(3月18日まで)。達は2001年にぎゃらりぃセンターポイントで個展を開き、その後ギャラリー山口、ギャルリー志門、ギャラリーテムズなど、多くの画廊で個展を開き、グループ展への参加も数多い。
 今回大きな作品はCorsetと題されている。コルセットといえば女性の身体を締め付けてスタイルを補正する下着を思い出すが、これは医療用のコルセットだろうか。そのへんのことはよく分からない。
 色彩を抑えていて、静かで上品な作品だ。実際に作品の前に立てば何が描かれているのか忘れてしまう。不思議な形に見入ってしまう。コルセットの形がおもしろくて、その形を手掛かりに作品にしているのだろう。



▲Corset
 もう一つの大きな作品は、HOUSEと題されている。ハウス=家なのか。花の蕾のような、釣鐘のような形があって、それらが紐のような線で結ばれている。でも釣鐘のような形を見ると、右側のものには3人の顔があり、左のものにも1人の顔がある。それらの下方に足みたいなものが描かれている。それに気がつくと、鶴岡政男の名作「重い手」を思い出す。鶴岡の作品へのオマージュという意味もあるのだろうか。

▲HOUSE
 画廊の入り口に小品が2点展示されている。「胞」と題されていて、植物の形を連想させる。色彩が美しい。今回大作では抑制していたが、達は本来色彩が美しいのだ。さらにこれらの小品がきわめて安価だ。

▲胞 42cm×59cm

▲胞 37cm×51.5cm
 また事務室内には版画なども展示されている。
       ・
達 和子展
2017年3月6日(月)〜3月18日(土)
12:00〜19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
       ・
Steps Gallery(ステップス・ギャラリー)
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル5F
電話 03-6228-6195
http://www.stepsgallery.org
東京メトロ銀座駅B1・B2出口より徒歩1分