東京銀座のSTEPS GALLERYで吉岡まさみ展が開かれている(7月7日まで)。吉岡は1956年、山形県生まれ。1981年に東京学芸大学教育学部美術科を卒業している。1982年に東京のかねこ・あーとGIで初個展、以来同画廊やときわ画廊、巷房などさまざまな画廊で個展を行ってきた。2007年からはアメリカやドイツなどでも個展を行っているし、2015年にはセルビアの国立美術館で倉重光則とセルビア人画家との4人展を行った。また昨年の夏はドイツで日独のアーチストによるグループ展にも参加している。
昨年11月には横浜石川町のアトリエ・Kで個展を行っているが、その時の展示は画廊の壁面に黒いテープを貼るインスタレーションだった。2015年にはこのSTEPS GALLERYでカラーバーを並べた個展をしている。四角い棒状の木をそれぞれ2色で塗り分けた作品だった。
今回はまた違ったタイプの作品を作っている。正方形の平面にさらに小さな正方形を規則正しく並べ、それぞれの正方形の中に小さな長方形を置いている。小さな長方形は縦長、横長、右45度あるいは左45度の傾きを与えられていて、それらが規則正しく凝り返されている。また色彩にも一定の法則が見られる。吉岡の作品としては新しい展開だが、カラーバーの作品の展開形とも見える。
作品の大きさには3種類あり、正方形の1辺がそれぞれ40cm、25cm、18cmとなっている。作品は大きなものではないが、どこにも中心がなく、不思議な広がりを見せている。色彩の展開も作品ごとに似ているようでありながら皆異なっている。事務所内に1辺18cmの小品が10点展示されているが、個展3日目にして小品は1点を除いて赤丸が付いていた。とても評判が良いようだ。
展示のプロの仕事らしく、単純かつ複雑な展示は作家たちに参考になるに違いない。吉岡はSTEPS GALLERYのオーナーでもあり、評論もこなし、知的な作家なのだ。
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吉岡まさみ展
2018年6月27日(水)―7月7日(土)、日曜休廊
12:00―19:00
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Steps Gallery(ステップス・ギャラリー)
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル5F
電話03-6228-6195
http://www.stepsgallery.org/