沓澤貴子展が始まった



 沓澤貴子(くつざわたかこ)展が始まった。東京都中央区日本橋本町のギャラリー砂翁(http://www.jpin.co.jp/saoh/)で7月30日(水)まで。
 沓澤貴子は1971年生まれ、武蔵野美術大学大学院を修了し、ガレリアラセン(2001)、Oギャラリー(2002)、かわさきIBM市民文化ギャラリー(2003)、Oギャラリー(2005)などで個展を続けている。今回は3年ぶりの個展だ。2001年にはセゾン現代美術館の「小林康夫によるコレクション展」に選ばれたこともある。
 抽象表現主義の新進作家として、亀山尚子とともに現在最も期待できる一人だ。抽象ではあるのだが、画面には何か不思議な有機的な形が見える。それは1998年にOギャラリーで開かれたグループ展「選選(よりより)展」から変わらない。色彩の美しいのも彼女の特徴だ。また1998年のグループ展から現在まで作品の質が安定して高い水準を維持している。

       写真は「南中」
 描くことが好きで大きな画面が好きだと言っていたが、ショーウインドウに展示されている15号の「南中」というタイトルの作品の美しいこと。これがわずかに8万円というのは変な言葉だがダンピングではないだろうか。
 多くの人に見てほしい個展だ。