筆跡鑑定は信じられるかもしれない

 仕事で多くの若者の住所と名前の直筆を見ている。すると筆跡にいくつかのパターンがあることが分かる。ちまちまとした小さな文字、「八」の字のように下向きに開いた無警戒な文字、四方に広がった文字等々。これらを見ているとヴァルター・ベンヤミンを思い出す。
 ベンヤミンは大学を卒業したあと、職がなくて筆跡鑑定と古書の背取りで生活していたという。背取りというのはWikipediaによれば、

背取りせどり、「競取り」とも)は、書籍・雑誌などを古書店から安く購入し転売する行為。本の背表紙を片っ端から見て本を選ぶことからこう呼ばれる。(中略)
その本を売って利益を得られるかどうかという目利きが重要である。

 ベンヤミンが商売で筆跡鑑定をしていたというのが以前から気にかかっていた。筆跡鑑定というのはまんざら荒唐無稽ではないのではないかと。今回若者たちの筆跡を多数見ることによって確かに類型化できると思った。これは血液型よりよほど信頼できるのではないだろうか。
 と書いたように血液型には疑問を持っているのだが、一方O型の私が今まで仲良くなった数人の女性はすべてAB型なのだった。