ギャラリーf分の1で奥村浩之彫刻展「始まり」を見る


 東京御茶の水のギャラリーf分の1で奥村浩之彫刻展「始まり」が開かれている(2月25日まで)。奥村は1963年石川県生まれ、1986年に金沢美術工芸大学彫刻科を卒業し、1988年に同大学大学院修士課程を修了している。その翌年メキシコに渡り、以来メキシコ在住で今日に及んでいる。個展は数多く行ってきたが、ほとんどメキシコ、アメリカ、フランスのギャラリーだった。日本では2013年と2015年にこの同じ画廊で行っていて今回が3回目になる。






 さまざまな色の石で作品を作っているがみな大理石だという。メキシコは大理石が豊富で様々な色のものがあるという。メキシコではとても大きな作品を作っているが、日本へ持ってくるため今回も小さな作品が多い。とは言っても1体20kg前後もする。
 いずれも抽象的な形のものだが、建築に近い構造物みたいな作品が何体か見られる。純粋な幾何学的な作品ではなく、自然にみられる岩石の構造や、砦や城、石造の建築などの建造物の、本質的な形を取り出したような作品群だ。一見無機的な表情を見せながら、どこか人間を感じさせる。
 メキシコで作られた作品集を見たが、建造物やモニュメントなど大きなものが多い。日本でもそんな仕事を発注するクライアントがいないだろうか。
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奥村浩之彫刻展「始まり」
2017年2月14日(火)〜2月25日(土)
11:00−18:30(最終日は17:00まで)、20日(月)休廊
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ギャラリーf分の1
東京都千代田区神田駿河台1-5-6 コトー駿河
電話03-3293-8756
http://www.galleryf-1.net
JRお茶の水駅 御茶の水橋口改札より徒歩5分ほど。
地下鉄丸の内線 御茶の水駅および千代田線 新御茶の水駅よりそれぞれ徒歩5分ほど。