東京京橋のギャルリー東京ユマニテで奥村浩之展「サイクルー大いなる時代―」が開かれている(1月27日まで)。奥村浩之は1963年石川県金沢市生まれ、1986年金沢美術工芸大学美術学部彫刻科を卒業し、1988年同大学大学院修士課程を修了している。1989年メキシコに渡る。以来メキシコ在住。
1991年メキシコのギャラリーで初個展。以来、メキシコ、アメリカ、フランスなどで発表している。日本では2013年、2015年、2017年にギャラリー1/fで個展をし、ここギャルリー東京ユマニテでは2020年に続いて2回目となる。今年は「奥能登国際芸術祭」にも参加している。
画廊には4つの大理石が円陣を組む人のような形に置かれた大きな作品が設置されている。切り出されたその形は荒々しい印象だが、同時に穏やかな佇まいでもある。荒々しいが攻撃的な印象はない。「奥能登国際芸術祭」に出品した作品が図録に掲載されているが、総重量25トンという大理石の作品からも同じ印象を受ける。おそらく奥村の人間性、人柄がそのあたりに現れているのだろう。ふだん活躍するメキシコでは大きな作品を作っているという。そのような大作が奥村の真骨頂なのだろう。
とは言え、小品にも面白いものがある。たぶん大作と小品では制作コンセプトも異なってくるのだろう。日本人離れした大作を作る奥村が、小品を作る時は日本回帰をするのかもしれない。
・
奥村浩之展「サイクルー大いなる時代―」
2024年1月9日(月)―1月27日(土)
10:30―18:30(日曜日休廊)
・
ギャルリー東京ユマニテ
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F
電話03-3562-1305