Stepsギャラリーの倉重光則展を見る

 東京銀座のStepsギャラリーで倉重光則展「真夜中の白い正午」が開かれている(1月20日まで)。倉重光則は1946年福岡県生まれ、1968年村松画廊で初個展、以来様々な画廊で個展を開いている。

 

突き当りのネオン管の光


 今回、画廊には黒く塗られた四角い箱が置かれている。箱の外の壁に明るいLEDライトが12個光っている。箱には入口があり、迷路のような真っ暗な中を手探りで進むと突き当りにネオン管が光っている。

 この作品について、画廊主の吉岡まさみのブログに詳しく紹介されているので、それを引く。

ギャラリーに足を一歩踏み入れると、2メートル四方の真っ黒な立体が立ちふさがる。アトリエ・Kで展示したボックスは板の色をそのままにしていたが、今回は全面を黒く塗りつぶしてある。ボックスの中は光がないので真っ暗なのだが、外側も黒く塗ってしまうことで、異様さが際立つ。文字通りのブラックボックスである。ボックスは少し斜めに置かれているので空間に動きが感じられる。箱の奥の壁面には16個のLEDライトが光っていて、箱を照らし出している。16個全部が点灯しているときと、部分的に点いているいるときと、全部が消えているときが5分おきに入れ替わる。暗闇の箱はいくら照らし出しても闇のままである。

ブラックボックスに再び目を転じる。箱の奥に「入口」がある。入口には、非常口マークが貼ってあり、ここが入口だよと知らせてくれる。非常口が入口になっているのだ。非常口マークというのは、いろいろな建物で見かける、走っている緑の人物。このマークは消防署認定マークだからか、高かったそうである。10センチ角ぐらいの大きさなのに、それだけで7000円だったそうだ。非常口から中に入って行くと、左回りに通路が中心に向かっていく。本当に真っ暗なので手探りである。行き止まりには、床にネオンが一本点灯している。そこでまた引き返してくるわけだが、その前に天井を見上げて欲しい。床のネオンが天井に映っているのがわかるだろう。天井も床もガラスになっているので反射するのである。

 

 箱の中は真っ暗で、このような暗闇は都会ではなぜかほとんど体験することがなくなった。対して壁面のLEDライトは暴力的に明るい。箱の中は狭いので、一人ずつ入ることになる。手探りで入って見たら中に人がいたら怖いかもしれない。でもそれが女性だったら嬉しいかもしれない。お前、何を考えているの?

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倉重光則展「真夜中の白い正午」

2024年1月8日(月)―1月20日(土)

12:00-19:00(土曜日17:00まで)日曜休廊

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Stepsギャラリー

東京都中央区銀座4-4-13琉映ビル5F

電話03-6228-6195

http://www.stepsgallery.org